日本人の食事摂取基準の指標について

2014/05/06

日本人の食事摂取基準

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こんにちは。今回は今まで色々と説明してきた食事摂取基準の指標について説明したいと思います。

ビタミンの解説を書いている時に気になっていたのですが、推奨量や目安量と言う言葉があります。

日本人に必要な栄養素量というのは、科学的根拠に基づいて、日本人の食事摂取基準にて定められています。

その際に使われる指標として、推定平均必要量、推奨量、目安量、耐用上限量、目標量というものがあります。


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推定平均必要量とは

推定平均必要量は、対象集団の必要量を測定した、平均値の推定値です。

平均値というのはつまり、50%の人が必要量を満たし、50%の人が必要量を満たさないと推定される値です。

つまり、推定平均必要量を下回っている場合に、欠乏する可能性が高ということです。

どちらかというと、給食現場など集団を対象とした時に使われる指標であるため、個人ではあまり使いません。

推奨量とは

推奨量は、推定平均値よりも高い値であり、対象集団のほとんどの人(97~98%)の人が充足する量です。推定平均必要量に、×1.2などの変動係数を足して算出されます。

個人で使用する指標としては、推奨量が良いと思います。推奨量を満たしていれば、その栄養素量はほとんど足りていると考えて良いでしょう

目安量とは

目安量は、対象集団のほとんどの人が不足しない量として設定されています。その点は推奨量と同じですが、研究が少ないなどで推奨量を算定できない時に設定されます。

具体的には、日本人の栄養素の摂取量と、欠乏症が現れているかどうかなどを調査し、不足状態を示さない摂取量が目安量として設定されます。

推奨量と同じく、目安量を満たしていればその栄養素量はほとんど足りていると考えられます。

全ての栄養素に対して、研究が豊富にされているわけではなく、例えば乳児などでは推定平均必要量・推奨量を算定できない事も多くあります。

推定平均必要量、推奨量、目安量は、それぞれ摂取不足に関連するものです。

目標量とは

目標量は、生活習慣病の一次予防を目的として設定されたものです。さまざまな疾患のリスクや、血液データ等が悪化しない量として算定されています。

その量をはずれたからといって、即座に欠乏症や過剰症が現れるわけではありません。しかし、そういった食生活を長く続けると、生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。

目標量には例えば、食物繊維や食塩、脂質があります。

近年生活習慣病が増えてきており、病気になる前の一次予防は特に重要です。そのことを考えると、目標量は積極的に達成したい重要な指標だと思います。

耐用上限量とは

耐用上限量は、過剰症が起きないように設定された指標です。定義としては、健康障害をもたらすリスクが無いとみなされる、習慣的な摂取量の上限です。

耐用上限量を超える量を習慣的に摂っていると、健康障害のリスクが高まると考えられます。

耐用上限量が設定されていなければ過剰症はないかというと、そういうわけではなく、過剰症の報告はあるが数値を設定出来るだけの根拠が無い、という場合もあります。

たとえ耐用上限量が設定されてなくても、サプリメント等から過度に摂取するのは避けたほうが良いでしょう

自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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