プレバイオティクスとプロバイオティクスの違いと効果について











 こんにちは!今日の更新はプレバイオティクスとプロバイオティクスの違いについてです。 この二つの単語を知らない方も多いと思いますが、管理栄養士の国家試験で出た事があるので 簡単に説明しておこうと思います。

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プロバイオティクスとは?

 プロバイオティクスとは、人体に有用な効果を持つ細菌、もしくはそれを含む食品の事を言います。 例えば、ビフィズス菌や乳酸菌シロタ株等の乳酸菌、納豆菌等があります。

なぜこれらが注目されるかというと、腸内のいわゆる悪玉菌の増殖を抑えるためです。 悪玉菌とは、ウェルシュ菌等の、腸内で増えると人体に悪い影響を及ぼす菌のことです。 これらは、腸管内で毒素や腐敗物を生成し、細胞にダメージを与えたり、下痢や便秘、腹痛を引き起こしたり、 感染症にかかりやすくしたりします。

毒素を生成するため、長期間悪玉菌が優勢であると、発がん性を高めるのではないかという仮説もあります。 何かと悪さをする悪玉菌ですが、それに対抗するために善玉菌を摂取し、 腸内に善玉菌を増やすことを狙います(プロバイオティクス)。

善玉菌が増えることによって悪玉菌の生育に競合したり、 腸内を酸性に傾けたり(悪玉菌は酸性に弱いものも多い)することによって悪玉菌が増殖しにくくなります。

プロバイオティクス、プレバイオティクスは非常に研究も盛んです。 研究の中では、発がん率の低下や、潰瘍性大腸炎の症状緩和などの効果を示したものもあります。

具体的な研究には、以下のようなものがあります。



研究1 プロバイオティクスによる腸内環境の改善と大腸癌予防

大腸癌患者、健常人各10例の糞便、末梢血を採取し、腸内フローラ・腸内環境および血中NK細胞活性とIL-1β値を比較した。
その結果、1)健常人は大腸癌患者に比べ、善玉菌であるlactobacillusの検出率が有意に高く、
悪玉菌であるClostridium perfingenの総菌数が有意に低く、糞便中の短鎖脂肪酸が高い傾向を示していた。
また、糞便中の水分量と糞便腐敗産物、血中IL-1β、NK細胞活性値は両群間で有意差を認めなかった。
2)健常人10例を対象にプロバイオティクスを1回/日、12週間摂取させ、その効果を検討したところ、
プロバイオティクス摂取前と比べ摂取後にはLactobacillusの検出率が有意に増加し、
Clostridium perfingen総量の有意な減少が認められた。
また、糞便pHは有意にアシドーシスにシフトし、糞便腐敗物の産生も有意に抑制され、
糞便中の短鎖脂肪酸は増加傾向を示した。
更に血中IL-1β、NK細胞活性値もプロバイオティクス摂取4週目以降は前値に比べ有意な増加を示していた。


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 一般的ではない単語が多く使われており読みにくいかもしれませんので少し簡単に書いてみます。

この研究で大腸がん患者と健常者を比較したところ、健常者では善玉菌が多く、悪玉菌が低いことが示されました。また、健常者にプロバイオティクスを摂取させたところ、善玉菌が多くなり悪玉菌が減少しました。

便は酸性に傾き、腐敗物の産生も抑制されました。抵抗力の指標となる一部の数値も、プロバイオティクス摂取前に比べ増加していました。


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研究2 難治性潰瘍性大腸炎におけるprobiotics及びsynbiotics投与による腸内細菌叢の変動


潰瘍性大腸炎の患者のうちで、従来の治療法に抵抗性のある軽症から中等度の患者に対して、
probioticsまたはsynbioticsを投与してその有効性を評価し、腸内細菌叢の変動を検討した。
通院患者20名を無作為に2群に分け、1群にはビオスリー(乳酸菌、酪酸菌、糖化菌、デンプン、乳糖を含む)と
食物繊維レジスタントスターチ配合ゼリー飲料を4週間経口投与し、synbiotics群とした。
他の群はビオスリーのみを経口投与し、probiotics群とした。
投与の前後で、臨床症状、大腸内視鏡所見、UCDAIスコアを評価し、T-RFLP解析法で便中の細菌叢を分析した。probioticsまたはsynbioticsを4週間投与したところ、
55%に臨床症状や内視鏡所見の改善が認められた。
腸内細菌叢の分析では、クラスター2分類に変動した症例で緩解を示したものが多く認められた。
難治性潰瘍性大腸炎の病態の一部には、腸内細菌叢の変動が存在することが示唆された。


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 潰瘍性大腸炎の患者に対し、プロバイオティクス、またはシンバイオティクス(プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせたもの)を投与したところ、55%に臨床症状や内視鏡所見の改善が認められました。難治性潰瘍性大腸炎の病態の一部には、腸内細菌が関係することが示唆されました。



プレバイオティクスとは?

 プロバイオティクスは、人体に有用な細菌自体のことを指しましたが、
プレバイオティクスは、人体に有用な細菌の「えさ」になるものを指します。

例えばどんなものがあるかというと、オリゴ糖や、食物繊維などです。オリゴのおかげなど、オリゴ糖を成分とした特定保健用食品もあります。

これらの成分は、悪玉菌の餌にならず、善玉菌だけの餌になります。つまり、悪玉菌の増殖を抑制し、善玉菌の増殖を促す成分なわけです。このような関係から、プロバイオティクスを摂った際には、餌であるプレバイオティクスも摂取すると効果的と言われています。



まとめ

上記をまとめると、

プロバイオティクス=人体に有用な細菌(善玉菌)のこと、もしくはそれを含む食品のこと
プレバイオティクス=善玉菌の餌になる成分、もしくはそれを含む食品のこと
となります。

 上記は今非常に研究が盛んな分野で、消化器系の疾患に対する効果が注目されています。完治しないとされる消化器系の疾患に、クローン病や過敏性腸症候群がありますが、それらの症状を緩和させるのではないかという報告もあります。

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研究3 
過敏性腸症候群に対するLactobacillus brevis KB290の効果 プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験

Lactobacillus brevis KB290(KB290)の、過敏性腸症候群(IBS)の症状に対する効果について検討した。
プラセボ対照二重盲検交差適合試験を実施した。
Rome III診断基準に従ってIBSと診断された35名の男女(年齢6歳以上)を2群に分け、
4週間の試験前観察期間の後に、KB290を含有する治験薬(カプセル)またはプラセボを4週間投与した(投与期間I)。
両群ともカプセルの投与を4週間中断し(ウォッシュアウト期間)、その後もう一方のカプセルをさらに4週間投与した(投与期間II)。
投与前観察期間の初日、投与期間Iの最終日、ウォッシュアウト期間の最終日、および投与期間IIの最終日に便検体を採取した。
被験者のIBSの症状およびQOLと、被験者に発現したあらゆる有害事象を評価した。
各期間中のIBSの症状について有意差は認められなかった。
平均QOLスコアは、治験薬カプセルの投与中に改善した。水様便および泥状便の頻度は、治験薬カプセルの投与期間の方が投与前観察期間よりも有意に低く、
腹痛の頻度は治験薬カプセルの投与期間の方が他の期間よりも有意に低かった。
治験薬カプセル投与後の方がプラセボ投与後よりも、Bifidobacterium属の検出頻度は有意に高く、Clostridium属の検出頻度は有意に低かった。
Lactobacillus属、Bacteroides属およびEnterococcus属の検出頻度も調査したが、
プラセボ投与期間と治験薬カプセル投与期間の間に差はなかった。
IBSに対する早期介入において、KB290は有用であることが示唆された。


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 便秘や下痢が多い、よくわからないお腹の不快症状がある、お腹が張りやすいなど、 何かと腸内のトラブルがあるかと思います。

もしかすると、腸内細菌のバランス改善により、症状が良くなる可能性もありますので、 そういった症状がある方は、試してみるのも良いと思います。 大きな副作用もないですし(摂り過ぎた際にお腹が緩くなるぐらい)。