朝食を抜くと太るのか?科学的根拠について



tyousyoku hutoru


こんにちは!今回の記事は、巷でよく言われる、朝食を抜くと太るのかというテーマについてです。
エネルギーが減るはずなのに太るという事態に疑問を感じる方もいると思います。

ということで、様々な研究なども見ながら書いていきたいと思います。
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■朝食を抜くと太ると言われている理由

朝食を抜くと太ると言われている理由には様々なものがありますが、以下のようなものがあります。

1,朝食を抜く事で身体が飢餓状態になり、昼食時に脂肪を溜め込みやすくなる
2,朝食を抜く事で強い空腹感を覚え、昼食時にドカ食いしやすい
3,生体リズムが乱れエネルギー代謝が悪くなる


等があります。

そんなことを言っても、これらの理由は実際に体重増加するほどなのか?だとか、
そのそも2,は食習慣の問題であって、昼食時にドカ食いしなければ痩せられるのか?とか、
理由を見てもなかなか納得いきません。




■研究ではどうなっているか

メカニズムについては色々言われていますが、
結局のところは、朝食を抜いている人と抜いていない人を見た研究を見ないとわかりません。
ということで朝食と肥満者の関係を見た論文を調べてみました。

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研究1 朝食欠食,マクロニュートリエントバランスが若年健常者の食後血糖値,満腹感,エネルギー消費量,および自律神経活動へ及ぼす影響

若年健常者8名を対象に,総摂取エネルギーを同一条件にした4パターンの朝食と昼食の組み合わせを、
(CC : ご飯を主食とする高糖質食+高糖質食, SC : 欠食+高糖質食2食, FF : パンを主食とする高脂肪食+高脂肪食, SF : 欠食+高脂肪食2食)
4日間にわたりランダムな順序で負荷し,朝食欠食やマクロニュートリエントの比率が食後の血糖値,
満腹感,エネルギー消費量に及ぼす影響について,熱産生や満腹感に関連する自律神経の活動度とともに比較検討した.
その結果,
1)朝食で米飯を主食とする高糖質食を摂取したCC試行では,パンを主食とする高脂肪食を摂取したFF試行に比べ,
食後3時間の血糖値,満腹感,エネルギー消費量が有意に高く,食後6時間の熱産生も4試行中で最も高値を示した.
2)朝食欠食(SC,SF)試行では,朝食後3時間と昼食後の3時間を含めた計6時間の熱産生が低く,
昼食摂取後に心拍数の著増が観察された.
また,UCP 1遺伝子のhomo変異を有する者では熱産生が低い傾向が認められた.
以上より,耐糖能正常者では糖質を主体とする朝食の摂取が肥満予防に寄与する可能性とともに,
遺伝的背景を配慮した食事のあり方についての必要性が示唆された

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こちらの研究は、朝食を食べた時と食べない際時のエネルギー消費量等について調べたもので、
朝食に炭水化物をメインとした食事を摂ると、エネルギー消費量が上がるという結果になったようです。

一般的に、朝食で摂ったエネルギーはよく使用され、夕食で摂ったエネルギーは脂肪になりやすいと言われますが、
やはり朝に摂った食事はそのままエネルギーとして使用されやすいようです。

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研究2 肥満へ影響を及ぼす生活習慣因子とその相互関係性

肥満へ影響を及ぼす生活習慣因子とその相互関係性について検討した。
就労者を対象に自記式アンケート調査を計画し、1060例から回答を得ることが出来た。
生活習慣因子と肥満の関連性は年齢階層で変化し、50歳以上になると、
肥満に対して生活習慣の影響を直接、間接的に受けやすくなった。
朝食摂取と肥満の関係は40歳以上50歳未満では、その関連は見られなかったが、
50歳以上になると朝食欠食は約4倍の肥満のリスクとなった。
各年齢階層における肥満者でかつ朝食欠食習慣を有する者の割合が16.5~21.4%の範囲にあるのに比べ、普通・低体重でかつ朝食欠食習慣を有する者は40歳未満で27.7%、
40歳以上50歳未満で15.9%、50歳以上で7.7%であった。
運動習慣は40歳未満、40歳以上50歳未満のグラフィカルモデルでは他の生活習慣が、
50歳以上になると運動習慣と肥満には直接的及び間接的関係が見られた。

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横断研究であるため、朝食を摂らない事が直接の原因かはわかりませんが、
少なくとも50歳以上の肥満者は、朝食欠食が多いようです。


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研究3 富山スタディ

平成元年4月2日~平成2年4月1日生まれで、

3歳児健診時の平成4年4月~平成6年3月に富山県在住の全児童10,117人を対象とした。
質問票と身体測定による調査を行った。
回収数9,645人のうち、社会環境や生活習慣などの質問に完全回答の得られた8,265人から、
3歳時での肥満者673人を除いた7,592人を追跡対象とし、
平成14年6月の対象者が中学1年生の時に追跡調査を行い、
追跡可能であった5,520人(72.7%)を解析対象とした。
食習慣(朝食の摂取頻度、間食の摂取頻度、間食時間の規則性)、
運動習慣(同年代の児と比較した場合の活発さ、運動時間)、睡眠習慣(起床時刻、就寝時刻、睡眠時間)に関する回答を得た。
父母の肥満は小児肥満の危険因子であったが、特に母親が肥満の場合、肥満の発生率が高かった。
食習慣では、朝食を「毎日食べる」と比較して「ときどき」食べない、
間食時間を「いつも決めている」と比較して「決めていない」において、肥満の発生率が高かった。
間食の回数と肥満発生との関連性は認めなかった。
運動習慣では、同年代の児と比較しての活発さで評価した場合は、「活発」であると比較して「活発でない」において、肥満の発生率が低かった。
睡眠習慣では、起床時刻が早いほど、就寝時刻が遅いほど、睡眠時間が短いほど、肥満の発生率が高かった。

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こちらは若者を対象とした研究です。
富山スタディは規模の大きいコホート研究ということで、多くの論文で引用されています。

コホート研究ということで、3歳時から中学生までの間追跡調査を行っています。

この研究によると、朝食を毎日食べている群よりも、ときどき食べない、ほとんど食べない群で肥満が多かったようです。
ほとんど食べない群より、ときどき食べない群のほうが肥満の発生率が高かったようなので、
ちょっと不思議な感じですね。

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研究4 内臓脂肪蓄積と生活習慣との関連についての検討

動脈硬化性疾患の背景となっている糖尿病、高脂血症,高血圧の発症は肥満-内臓脂肪の蓄積-と大きく関わっている。
そしてこれらの発症には「生活習慣」が多大に関与しているといわれる。
我々は勤労者の生活習慣アンケートを行い、肥満症の実態調査をして、ライフスタイルと生活習慣病との関わりについて検討することとした。


【対象と方法】 当院内分泌・代謝内科にて加療中の糖尿病、高脂血症、高血圧等46名(男性35名、女性11名)について、生活習慣調査を行い、
血糖値、血清脂質値、血中アディポサイトカイン、内臓脂肪量等の測定を行った。それらの生活習慣による解析を行った。
【結果】 対象者は平均BMI28.5、内臓脂肪面積136cm2と肥満を示し、HOMA-IR4.5とインスリン抵抗性を認めた。
内臓脂肪量は男性ではBMI、HOMA-IR、ウエスト・ヒップ比、血中レプチン、
中性脂肪値と正の相関を示した。女性ではBMI、レプチン、TNF-α、レジスチン、LDL-Cと正の相関を認めた。
生活習慣に関するアンケートでは通勤時間が1時間を超えるものが2割、残業時間が月45時間超の者が3割、飲酒の習慣のある者が3割、喫煙する者が4割を占めた。
朝食を摂らない者が4分の1ほどおり、昼食時間は皆30分以内であり、定期的な運動をしている者は少数であった。
朝食を食べない群では朝食を食べる群より内臓脂肪型肥満が多く、この両群間で内臓脂肪面積を比較したところ、朝食を食べない群で有意に高値を示した。
重回帰分析の結果、男性では朝食習慣の有無とHOMA-IRが内臓脂肪の有意な説明変数であった。

【考察】 朝食を食べる習慣のある群で内臓脂肪型肥満の少ないこと、内臓脂肪蓄積の少ないことが明らかとなった。
朝食を摂ることの重要性、メタボリックシンドロームとの関連性が示された。
しかし因果関係についてはまだ不明で今後さらなる検討が必要である。

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こちらは横断研究です。
朝食を食べない群では朝食を食べる群より内臓脂肪型肥満が多いという結果が出ています。




■考察・まとめ


今回調べてみたところ、国内の横断研究の多くで朝食欠食と肥満に相関が見られています。
ただし、コホート研究や介入研究といった、質の良い研究はほとんど見つけられませんでした。

海外の研究でなら、コホート研究でなら889人を対象としたもので27年追跡したものがあります。
その研究によると、やはり朝食欠食や、質の悪い朝食(ジュースのみ等)をしている群は肥満のリスクが上がるとのこと。


原因は特定できませんが、朝食を欠食している人ほど肥満者が多いというのは事実なようです。

ただし残念ながら、朝食の欠食が肥満の直接の原因になっているかというと、介入研究等が少ないためわかりません。
エネルギーをしっかりと調整した介入研究であれば、欠食により痩せるという可能性もあります。
体重に変化が出るのは時間がかかるため、研究は容易ではありませんが・・・。


朝食欠食に肥満が多いというのは、私が思うには食習慣に問題が出やすいのだと思います。
カロリーオフ飲料を飲む人を追跡すると肥満が多い”という例と同じような感じでしょうか。

朝食欠食をする人の生活というのは、夜型で夜食を食べたり、昼食・夕食にドカ食いしたり、
朝の活動が少なかったりというものが予想されます。

また単に食事内容を考えても、欠食するような家庭より、朝食もしっかりと摂る家庭のほうが、
バランスのとれた質の良い食事である割合が高いのではないでしょうか。

研究1で示されているように、代謝が悪くなるなども一因だとは思いますが・・・。


今までの話をまとめると、
・朝食を摂らない人に肥満は多い
・朝食欠食が直接肥満の原因になっているかは不明だが、欠食者の生活習慣に問題がある可能性がある
・朝食を摂らないことで、エネルギー代謝は落ちる

といったところでしょうか。

個人的には、朝食をしっかり摂り、夕食は軽めにするのが痩せやすい食生活かなと思います。