酒で顔が赤くなる人は要注意?アルコールの代謝とフラッシング反応について


sake

こんにちは!今日の更新は酒に関連したものです。
昔ためしてガッテンという番組で、このような放送がされたのはご存知でしょうか。
酒を飲むと顔が赤くなる人が酒を飲み過ぎると、食道がんのリスクが非常に高くなるというものです。




■酒で顔が赤くなる人は要注意?

厚生労働省の情報提供ページにも記載されていますが、WHOの報告によると、
フラッシング反応が出る人で酒をよく飲む人は、食道がんや咽頭がんのリスクが高くなるとのことです。

フラッシング反応とは、ビール一杯程度で起こる顔面の紅潮、吐き気、動悸、眠気、頭痛などの反応をいいます。
このような体質の人を、フラッシャーと呼びます。



■アルコールの代謝とフラッシング反応について

さて、ではなぜこのフラッシング反応が起きるのでしょうか。
それを知るためにはまず、アルコールの代謝について理解する必要があります。


アルコールの代謝

アルコールは体内に摂取された後、胃や小腸で吸収されます。
その後、肝臓や筋肉で別の物質に変えられていき、最終的に炭酸ガスと水に分解され排出されます。

アルコールはまずアルコール脱水素酵素により、アセトアルデヒドに分解されます。
次に、アルデヒド脱水素酵素により酢酸その後炭酸ガスと水に分解されます


さて、この分解の過程で生じるアセトアルデヒドは、非常に有害な物質です。

いわゆるアルコールに強い人は、アルデヒド脱水素酵素の働きが強く、
アセトアルデヒドを速やかに酢酸に変えてくれますが、アルコールに弱い人(顔が赤くなるような人)では、
アセトアルデヒドの分解が遅く、体内に長い時間留まります


アセトアルデヒドは有害な物質であり、様々な不快感に加え、細胞にダメージを与えがんの発生率を上げるというわけです。


■研究ではどうなっているか

上記について論文や報告を探していたのですが、国立がん研究センターのコホート研究しか見つかりませんでした。
東京大学の教授が出した論文もどこかにあるそうですが、そちらは見つからず。

国立がん研究センターのコホート研究では、飲酒・喫煙と食道がんに強い関連があると報告しています。
ただし、顔が赤くなる人でもならない人でも、飲酒による食道がんリスクへの影響は見られなかったそうです。

喫煙指数の高いヘビースモーカーでは、顔が赤くなる人の食道がんが大きく上がるとのことです。
メカニズムはよくわかっていませんが、アセトアルデヒドを分解する働きの弱い人は、他の酵素がかわりに活発に働き、
それがたばこ中の発がん物質の作用を促進するのではないかという仮説があります。


あれ?顔が赤くなる人でもリスクは変わらないのか?と思いましたが、以下のような注意書きがついていました。
※ お酒で顔が赤くなる体質と、遺伝子多型のタイプについて
お酒を飲むと顔が赤くなったり頭が痛くなったりするのは、アルコールが体内で代謝されて出来るアセトアルデヒドの作用によりますが、
それを分解する酵素ALDH2の働きの強さは、遺伝的なタイプ(遺伝子多型)によって分けられることが知られています。
過去の研究で、その働きが弱いタイプだと飲酒で食道がんになりやすいことが示されています。
今回の研究では、遺伝子多型のタイプを測定したわけではなく、
アンケート調査でお酒による反応を回答していただき、赤くなる体質とそうでない体質に分けました。
われわれの別の研究で、アンケートで「お酒で顔が赤くならない」と回答した人の97%と「お酒で顔が赤くなる」と回答した人の約半数は、
遺伝子多型の測定では「働きが強いタイプ」でした。
お酒で顔が赤くなる体質には、他の酵素(アセトアルデヒドの生成に関わるものなど)の遺伝子多型も関与しているという報告があります。
従って、この研究においても、もし遺伝子多型によるタイプ分けをしたら今回の結果とは異なる関連が示される可能性があり、今後の研究課題です。 


つまり、今回の調査では、自己回答により顔が赤くなる、赤くならない人で分けたわけですが、
顔が赤くなると答えた人の中には、お酒の強い人=アセトアルデヒドをよく分解できる人も多く含まれるとのことです。
アセトアルデヒドの分解能力でタイプを分ければ、違う結果が出る可能性があるということですね。

こちらの注意書きでも、過去の研究により、
アセトアルデヒドの分解が弱いタイプは飲酒で食道がんになりやすいことが示されているとあります。



顔が赤くなるような人の飲酒により、ガンのリスクが上がる研究自体は見つけられませんでしたが、
公的機関や、がん予防の大手である国立がん研究センターでも、がんのリスクになるという文言が見受けられるため、
そういった研究があったのだと思われます。

今回挙げられている食道がんは、消化管のがんの中では予後が極めて悪い事で有名です。
リンパ節が近くリンパ節転移が多いこと、外膜が無いため周囲に浸潤しやすいことなどが理由です。

進行してしまった時の生存率は10%前後と非常に悪く、また症状も少ないため早期発見も困難です。

病気の中でもトップレベルになりたくないもののリスクを上げるということで、テレビでも取り上げられたのかなーと思います。

ともかく、お酒で顔が赤くなるような人は、特に注意したほうが良いと思います。

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