糖尿病の起きる仕組みとはどんなものか

2014/10/14

栄養学

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こんにちは!今日の更新は、生活習慣病の中でも特に有名な糖尿病についてです。

有名な疾患ですが、どのような状態なのか、仕組みはどうなっているのか、ご存知でしょうか。 このページでは、一番多い二型糖尿病について、どんなものかを書いていこうと思います。

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糖尿病はどのような順序で起きるのか

糖尿病とは、血糖値が病的に高い状態を指す病名です。

血糖値とは、文字通りですが血液中のグルコース(ぶどう糖)濃度。 病的に高いというのは、通常なら一定に保たれているはずが、なかなか下がらないような状態です。

もう少し順序立てて説明すると、人間が摂取している栄養素に、炭水化物があります。 炭水化物を食べると消化され、どんどん細かく分解し、最終的にはグルコースのような単糖にまで分解されます。ご飯でもスパゲティでも芋でも、グルコールまで分解されます。

グルコースまで分解された後は、小腸から体内に入り、血液中に乗り全身に運ばれます。(血糖値が上がる)血糖値が上がると、血糖値を下げるホルモンのインスリンが分泌され、 全身の細胞に糖を取り込むように指示したり、脂肪を合成させたりして、血液中のグルコースを消費させます。

このインスリンの働きにより、食事で上がった血糖値は下げられ、大体一定の数値を保つようになっています。

糖尿病では、このインスリンの働きに問題が出て、血糖値が下がりにくくなります。 ※インスリンの出が悪くなる、出ているけど効きにくくなる、インスリンが全く出ない等、 血糖値が高い状態だと、わずかですが血管や臓器にダメージを与えます。

食事でちょっと上がったぐらいなら問題ありませんが、高い状態が数年、十数年と続くと、 ダメージが蓄積し糖尿病性腎症や網膜症、神経障害などに発展します。 これらは、糖尿病の3大合併症と呼ばれるものです。


3大合併症について

糖尿病自体には、実は症状がありません。 喉が乾きやすいだとか、多尿になるだとか、そんな程度です。 だからこそ放置されやすく、気づいた時には合併症も発症という事態に陥りやすいのです。

糖尿病の合併症には、有名なもので以下の3つがあります。
・糖尿病性腎症
・糖尿病性網膜症
・糖尿病性神経障害

糖尿病性腎症は、日本ではかなり問題視されている合併症で、腎不全の原因第一位になっています。腎不全は知ってのとおり、治すことができず、透析を受けながら生き長らえることになります。 透析は時間も金もかかるため、生活にかなりの負担をかけることになります。

網膜症は、目の毛細血管に異常が出て起きます。糖尿病性網膜症のメカニズムは完璧に解明されているわけではありませんが、破れやすい血管が増加し、そこから出血する事が主な原因なようです。 後から失明になる原因の第二位になっています。

神経障害の原因はいくつか説がありますが、症状としては手足のしびれや痛みへの反応鈍化、発汗異常、胃腸の不調などがあります。また、糖尿病では血管にダメージがあるため、閉塞などの障害も起きやすく、手足に栄養が行き渡らず壊死してしまい、切断まで発展する例もあります。

中でも問題になるのは、やはり腎症でしょうか。 網膜症はレーザー手術で抑えたり、神経障害も投薬で進行を遅らせたりできますが、 腎臓は対処法がほとんどありません。腎症が進めば元には戻らず、腎不全になれば生活の質を著しく下げたまま過ごすことになります。腎不全も糖尿病も心不全に繋がりますので、寿命も短くなる事が考えられます。


糖尿病の治療

糖尿病の治療は、食事療法や運動療法、投薬などが行われます。

食事療法は、基本的にはエネルギーを調整したバランスの良い食事です。 1600kcalや1800kcalなど、設定されたエネルギーになるように食事量を調整します。内容は主食、主菜、副菜のバランスのとれた食事で、食べていけないものもありません。

これが腎臓病や肝臓病だと、たんぱく質の制限で肉類が極端に減ったり、煮物に粉飴やら油やらと変な話になってくるので、 それを考えると食事療法とはいえ負担は少ないかと思います。

運動メニューは、医師から指導があると思うので詳細は書きませんが、激しすぎない運動を習慣的に行います。 食後の運動も、食後の血糖値上昇を抑えるために良いとされています。

投薬は1型糖尿病にインスリンを打ったり、二型では上記で効果が出ないときに使ったり。 糖尿病の治療薬は様々なものがあり、糖の吸収を阻害するものや、インスリン分泌を促進するもの等があります。

糖尿病のリスクになるもの

糖尿病のリスクは、色々なものが研究されており、挙げればキリがないですが代表的な物を紹介します。
1,加齢
2,遺伝
3,肥満
4,運動不足
5,悪い食習慣

1と2はどうにかできるものではないのですが、影響の非常に大きいものです。 特に遺伝は重要で、糖尿病の多い家系ではより気をつけた生活を送るべきです。 なんとかなりそうなのは、3、4、5ですね。 肥満も遺伝から来ることがありますが、多いのは生活習慣から来るものですし、4と5は意識することで改善することができます。

これらは糖尿病だけでなく、脂質異常症だとか高血圧のリスクでもあります。 場合によっては、全てが併発し、 肥満+糖尿病+脂質異常症+高血圧という状態になることもあります。(死の四重奏といわれる)

糖尿病以外の生活習慣病を防ぐためにも、規則正しい生活が必要です。

自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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