カルピスをアガーで固めると分離するのはなぜ?

2019/05/16

料理雑学

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こんにちは!今日のテーマは、カルピスゼリーをアガーで固めると分離するのはなぜ?というテーマです。

この前カルピスゼリーをアガーで固めようとしたところ、なぜか分離してしまいました。

ということでなぜ分離してしまうのか調べ、書いていこうと思います。

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カルピスとアガーの成分について

カルピスはアサヒ飲料から販売されている乳酸菌飲料で、生乳から脂肪分を取り除き、発酵させた商品です。

アガーはゼリー剤の一種で、ゼラチンや寒天のようにゼリーを作るのに用いられます。スギノリやツノマタ等の海藻から、多糖類を抽出し原料としています。

アガーは寒天に近い性質ですが、寒天よりもぷるぷるしていて、ゼラチンに近いような食感をしています。市販のゼリー等に最も食感が近いのがこのアガーです。

カルピスをアガーで固めると分離する

おそらくこの記事を検索で見つけた方は、カルピスをアガーで固めようとして失敗した経験があると思います。

実際に試した画像を用意しました。まずは普通のカルピスの状態です。

こちらはカルピスを分量通りに水で割り、皿に注いだ状態です。ここに、アガーを煮溶かした液体を加えると・・・、

凝集反応といいますか、とにかく分離してしまっています。味が悪いわけではないのですが、舌触りがいまいちになります。

このまま固めると、きれいに二層に分かれるので、舌触りは諦めてこういうものとして食べる方法もあります。

なぜこのような事が起こるのか

この凝集反応は、牛乳に酸を加えてチーズを作るのにすごく似ています。

牛乳の中に含まれるたんぱく質のカゼインは、pH4.6が等電点であり、それぐらいのpHになるとたんぱく質が溶けていられなくなり凝固し沈殿していきます。

この反応を利用し、牛乳(pH6~7)に酸を加えることでpHを下げ、カゼインを固めチーズを作ります。

カルピスは生乳を原料にしており、カゼインが含まれています。このカゼインが、アガーで固める際に凝固してしまうのだと思います。

カルピスの凝固は身近にも発生する事象で、カルピスを飲んだ際に、口腔内に白いかたまりのようなものが出てくることがあります。これはカルピスの公式Q&Aでも記載があります。

Q「カルピス」を飲んだ後、口の中や舌の上に残る白いかたまりは何ですか?
A 白いものは、「カルピス」の中に含まれるカゼインというたんぱく質と、唾液に含まれる成分が反応してできたものです。ただ、唾液の成分は個人差があるため、固まりの出来る人と出来ない人がいます。このかたまりは体に悪い影響を与えるものではなく、胃の中で消化されますので、心配ありません。

唾液に含まれる成分とは、粘液の主成分であるムチンのようです。これらが合わさって、凝固してしまうようです。

解決方法は?

ありません。(残念ですが)

上記の仮説に従い、もしかしたらpHが原因かもということで、レモン汁や重曹等でpHを調整したり、温度を調整したりしてみましたが、どのように組み合わせても分離してしまいました。

また、ペットボトルでそのまま飲めるカルピスウォーターの方は、飲んだときに固まりにくいと言われるので、そちらでも試してみました。

しかし残念ながら、カルピスウォーターでも分離してしまいました。カルピスの希釈液よりは分離の具合はマシですが・・・。

pHが影響しているのではなく、唾液に含まれるムチンと反応するように、アガーの主成分の多糖類と反応してできるのだと思います。

ゼラチンや寒天なら、分離することなく固められるので、カルピスでゼリーを作る場合はそのどちらかを使うしか無いと思います。

どうしてもアガーで固めたい場合、いくつか考えつく方法としては、
1,混ぜながら温度を下げていき、とろみがついてきたところで冷凍庫などで急速に固める(沈殿する前に固める)
2,いっそ分離させて濾してしまう(あまり白くないカルピスゼリーができます)
3,二層ゼリーだと開き直る

分離すると食感にも影響があるので、やはりゼラチンか寒天を使うのが無難だと思われます。

まとめ

アガーはカルピスと相性が非常に悪く、分離してしまいます。

調べた限りでは分離を防ぐ方法はなく、分離しないゼラチンや寒天を代わりに使うのが無難です。





記事をお読み頂き、ありがとうございました。

最後にちょっとした広告を。

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レビューも書いているので、興味がありましたらご確認下さい。

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今まで我が家では普通のフライパンでしたが、取ってがとれるタイプのフライパンに変えてみたら便利さにビックリ。

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自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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