こんにちは!今日の更新は、重曹についてです。
重曹は野菜のアク抜きや掃除などに使われますが、重曹って何?って言われると、知らない方も多いのでは。
また、そんな重曹を摂取しても害はないのか?というのも気になります。
ということで、重曹について書いていきます。
重曹とは?
そもそも重曹とはなにかという話ですが、正式には炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と表記されます。
化学名で書くと、なんだか危険な化学成分かとも思いますが、食品でも非常に高頻度に使用されているものであります。
例えば、重曹は酸と反応することで炭酸になります。家庭でできる炭酸水の作り方として、重曹とクエン酸を混ぜ合わせるというのがよく紹介されていますね。
市販品でサイダー飴(口の中でシュワシュワする飴)なんかもこの仕組を利用しており、飴玉に重曹とクエン酸を練り込んでおき、唾液で溶けた際に炭酸が発生するよう作っています。
入浴剤で泡がぶくぶく出るタイプのもの(バスボム)も、同じ原理で炭酸を発生させています。
また、重曹はベーキングパウダーとしても使用されます。加熱すると、炭酸ナトリウム、水、二酸化炭素に分解します。
二酸化炭素を出す性質から、生地に練り込み焼くと細かい穴ができ、生地がフワフワ、サクサクとした食感になります。
重曹を溶かした水はアルカリ性になるので、野菜を茹でる時にも使われます。
青菜等に含まれる色素成分、クロロフィルはアルカリ性でクロロフィリンという成分に変化し、安定した鮮やかな緑色に発色します。
→ほうれんそう等の青菜を色よく茹でる方法(検証と結果)
このように、日常で頻繁に長い期間使用されているものであり、一般的には重曹は安全なモノとされています。
しかし、どんな使い方をしても安全というわけではなく、やはり注意点もあります。
粉末の誤飲には注意
普通の成人で、あえて重曹粉末を直に飲もうという人はまずいないと思います。
重曹の粉末自体は、実は薬としても存在しており、多少であれば粉末のまま飲んでも問題無い可能性もあります。
重曹は胃の中に入ると胃酸(塩酸)と反応し、炭酸ガスを発生します。なので、消化管検査の発泡剤として使われる事があります。
また酸を中和する作用があるので、制酸剤としての役割もあります。
が、子供の誤飲事故等には注意が必要です。
多量に摂取するとアルカローシス(体がアルカリ性に傾くこと)の可能性があります。
さらに、胃内で炭酸ガスを発生させるので、腹部の膨満感や腹痛などを引き起こすかもしれません。
古い症例ですが、炭酸水の一気飲みで胃破裂の症例というものを見たことがあります。
重曹の服用で胃が破裂したという症例は日本では見つかりませんでしたが、欧米では報告がちょくちょくありますね。
ちょっとぐらいならゲップとして空気が出ていきますから、そう簡単に破裂するまでの事故が起こる事はないでしょうが、誤って重曹をモシャモシャ食べていた、というような事態は起こらないようにするべきです。
また、重曹には精製度の高い食品用と、精製度の低い掃除用があります。掃除用では炭酸水素ナトリウム以外の成分が含まれている可能性があるため、掃除用を誤って食品に使わないよう注意が必要です。
ナトリウムは残っている
事故以外にも、ナトリウムが残っている点は注意が必要です。
重曹は炭酸水素ナトリウムであり、ベーキングパウダー等重曹を食べるような形になると、このうちのナトリウムは食品に残存しています。
重曹1gは食塩で約0.7gに換算できます。結構多いですね。
重曹を焼き菓子等に利用する際は、小麦粉100gに対して重曹1g~2g程度使用しますので、食塩としても0.7g~1.4g程度摂取していることになります。
薬としての重曹(制酸剤)も、ナトリウム摂取制限がある方に対しては禁忌となっています。
特に制限の無い方であれば無視しても良いぐらいの量かもしれませんが、高血圧や腎疾患等によりナトリウム制限がある方は、重曹のナトリウムも考慮しておくべきです。
まとめ
重曹は昔から広く使われている添加物で、食品やお掃除等で幅広く使われており、安全性の高い添加物です。
とはいえ、無茶な摂取をすれば害があるのは当然で、成人では普通は起こりえませんが、子供が誤って口にしないよう注意が必要です。
また、一般的な使い方でも、ナトリウムが残る点には注意が必要です。
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