
こんにちは!今日の更新は、「食事の前に手洗いをするのはなぜ」というテーマです。
食中毒予防についての記事を書こうと、農林水産省のページを見ていたのですが、「食事前の手洗い」が項目として入ってます。
小さい頃からよく言われるので、みんな当たり前と思っていますが、実はよくよく考えると不思議なことでは。
ということで、食事前の手洗いについて考察してみようと思います。
食事前に手洗いは必要?
保育園や幼稚園、小中学校ぐらいまで、食事前に手洗いをしましょうと言われ、手洗いの時間も設けられていたような記憶があります。
子供は食品を手づかみで食べる事があります。
さらに外で色々な物をいじり、手も相当に汚れているので食事前に手を洗うのは自然な事だと思います。
では大人ではどうでしょう。
レストランや飲食店に行った際に、メニューを注文した後、トイレに行き手を洗いにいきますか?
おしぼりがあれば手を拭う事もあるかもしれませんが、そうでなければ洗わないという人も多いと思います。
食事前に手洗いをしないと食中毒になるのか
では、食事前に手洗いをしなかったとして、それが原因で食中毒は起こり得るのでしょうか?
日本では食事の際に、パンを除いて、箸やスプーン、フォークなどの食具を用いて食べています。
箸やスプーン、フォーク等を用いているのに、食中毒になることはあり得るのでしょうか。
基本的には、食中毒にはならないと考えられます。
不衛生な手で箸やスプーンを用いても、食事が触れる先端部分に触れていなければ、菌は移行しません。
仮に、誤って箸やスプーンの先端を触って、菌が移行していたらどうでしょう。
それでもまだ、食中毒が起きるとは言えません。食中毒の原因菌が移行しても、菌が増殖しないと食中毒は発生しづらいためです。
つまり、箸やスプーンの先端を触り菌が移行し、それが食品に移行し、そのまま数時間おいて菌が増殖すれば、食中毒が発生するかもしれません。しかし、めったにない例だと思われます。
厚生労働省の食中毒統計上も、感染経路が不明なものもありますが、多くは集団発生です。手洗いをしていない一人だけ、というのは確認されていません。
手づかみで食べるとして食中毒は起きるか?
次に、パンやサンドイッチ、ハンバーガー、カレーについているナン等、手づかみで食べる事が多いメニューもあります。
これらは、飲食店に入店後、手を洗わないで食べたら食中毒は発生するのでしょうか?
これに関しても、発生しづらいと言えます。
手が菌で汚染されていて、食品に菌が移行したとしても、やはり菌が増殖する時間が必要です。
ただし、少数の菌でも食中毒を発症する種類もいます。カンピロバクター、ノロウイルス、O-157等です。
動物の糞や、感染者の便や吐瀉物などに含まれているような菌です。
なので、トイレに行った後全く手を洗わなかったり、ペットの糞やヒトの吐瀉物の処理後などに手を洗わずにパンを食べたら、食中毒が発生するかもしれません。
「それはないよ」というなら、飲食店に入って手を洗わずにパンを食べても、食中毒の発生する可能性は低いと考えられます。
でも手は洗うべき
基本的には食具を使うから手を洗わなかったとしても、食中毒の発生するリスクは低いかもしれません。
しかし、それでも食事前に手を洗うというのは実践するべきです。
なぜかというと、食中毒対策だけでなく、感染症対策の面から見て非常に有益だからです。
近年新型コロナウイルスの対策として、手洗いが推奨されています。
新型コロナやインフルエンザ等の感染症は、手から顔、そこから肺や気管支などに移行する、つまり手をスタートとして感染する事が多いです。
また、食事中というリラックスする空間では、顔周辺を触れる機会も増えるかもしれません。その前に手を洗っておけば、感染症のリスクを低減できます。
つまり、食中毒のリスクがあろうがなかろうが、食事前に手を洗うのは人間にとって有益な行動なのです。
手を洗うデメリットも、せいぜい手が荒れる可能性があるぐらいで、ほぼないようなものです。
まとめ
きちんと食具を使っていれば、手を洗わずに食べたとしても、食中毒のリスクは高くはないかもしれません。
しかし、仮に食中毒のリスクがなかったとしても、食事前に手洗いをするのは感染症対策の面から有益な行動です。
よって、手づかみ食べをしない大人でも、「食事の前の手洗い」は推奨できますし、実際国の広報などでも推奨されています。
国全体の衛生観念を上げるためにも、食事前にはしっかり手洗いをしていきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿