ビタミンCとは?

2014/05/09

栄養素関連

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こんにちは。今日もビタミンシリーズのビタミンCについてです。


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ビタミンCとは

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、化学名をアスコルビン酸(のL型)と言います。

コラーゲンの生成に必要であり、欠乏すると壊血病になるとして有名です。日本人の食事摂取基準では、アスコルビン酸量として数値が策定されています。

水に溶けやすく、熱にも弱いことから調理による損失が大きのが特徴です。

ビタミンCはヒトでこそビタミン(合成できず外から摂取する必要がある)ですが、 他の動物ではビタミンCを合成できる種が多く、そういった種ではビタミンではありません。

ビタミンCの働き

ビタミンCの一番重要な働きとしてコラーゲンの生成の補酵素としてというものがあります。

コラーゲンは結合組織や人体の様々な場所に存在し、皮膚や組織の強度を保っています。 そのため、ビタミンCが不足すると後記する壊血病という恐ろしい病気にかかります。

また、それ以外に有名なのは、強い抗酸化力です。 酸化した物質というのは、何かと人体で悪さをするものですが、ビタミンCはそれを取っ払う力があります。

その強い抗酸化力から、酸化防止剤として食品に添加され、 また美肌作用や老化防止作用を持つと言われています。

他にも、肝臓にて毒素の解毒に使ったり、鉄の吸収を促進したりします。

日本人の食事摂取基準では、心臓血管系の疾病予防効果に必要な抗酸化作用が、 血漿ビタミンC濃度が50μmol/L程度あれば期待できるということで、それを維持できる値が 推奨量となっています。

またビタミンCは栄養機能食品として表示することができ、 「ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用をもつ栄養素です。」 と表示することができます(上限1000mg、下限24mg)

大航海時代と壊血病

先ほどビタミンCが不足すると壊血病という恐ろしい病気になると書きました。 しかし、現代の日本ではビタミンCが不足する事はほとんどなく、知らない方もいるかもしれません。

壊血病では、ビタミンCが不足する事でコラーゲン等が生成できなくなり、皮膚や粘膜からの出血や、病気に対する抵抗力、傷の治りが極端に遅くなる等の症状が起きます。

歴史的には、大航海時代に多発し、船乗りに非常に恐れられていたとされています。 壊血病は生命に関わる病気ですが、当時はビタミン等という認識はなく、原因不明の病気でした。

経験的なもので、良い食事を摂っている者がかかりにくいだとか、 新鮮な野菜や果物を摂っているものがかかりにくいだとか、そういったことはわかっていました。

しかし航海中では、新鮮な野菜や果物は手に入らず、船に積み込んでも長い船旅の過程で足りなくなったり、 腐ってしまったりという事情で安定した供給はできませんでした。

長持ちさせようと加熱したり濃縮ジュースにしたりしたものの、 ビタミンCは熱に弱いため壊れてしまい、効果を発揮できず犠牲者を出すこととなりました。

このように、ビタミンについてわかっていなかった時代では、命に直結する恐ろしい病気でした。

ビタミンCと壊血病の関係が明らかになったのは、1932年と長い歴史から考えると割りと最近のことです。

ビタミンCを多く含む食品

さて、そんなビタミンCがどんなものに含まれているかというと、なんといっても新鮮な果物や野菜類です。

熱によって壊れやすいのが特徴ですが、ジャガイモ等に含まれているビタミンCはでんぷんに保護され、 壊れにくくなっているため良い供給源です。

100g中では、
ブロッコリー・・・54mg
ほうれん草・・・・19mg
キャベツ・・・・・・41mg
レモン・・・・・・・100mg
グレープフルーツ・・・36mg

ビタミンCを豊富に含んだジュース(清涼飲料水)も多数あります。 多くのビタミンCを含んでいますが、同時に糖質を多く含んでいるため、 ビタミンCの摂取源としてはどうかなと思います。

ビタミンCの一日に必要な量

ビタミンCの一日に必要な量は、推奨量として定められており、成人男女で100mgとなっています。

平成24年度国民健康栄養調査の結果によると、成人のビタミンCの摂取量は中央値で60mgとなっており、不足しがちなようです。

近年果物や野菜の摂取不足が言われていますので、そういった事情からでしょうか。

野菜は特に、生活習慣病予防にも良いため積極的に摂ようにすると良いと思います。

また、喫煙者、受動喫煙の多い方はビタミンCの必要量が多くなっているため、推奨量以上の摂取が必要です。

ビタミンCの欠乏症や過剰症

ビタミンCの欠乏症として一番有名なのは、先程も書いた壊血病です。 出血症状までいかなくとも、貧血や倦怠感、脱力、食欲不振などが初期症状として現れることがあります。

また、具体的な欠乏症として現れていなくても、酸化というのは人体に害なので、 酸化から守るという意味合いでしっかりと摂取するべきだと思います。

ビタミンCは過剰に摂取しても、消化管からの吸収率が低下し、排泄量が高まるため安全性は高めです。

しかし日本人の食事摂取基準によると、腎機能障害を持つ者の過剰摂取で腎シュウ酸結石のリスクが高まること、 吐き気、下痢、腹痛等の胃腸への影響の報告があることから、サプリメント類から1g/日以上摂取することは推奨しなとしています。

ただし、耐用上限量として策定するにはデータが十分ではないため、耐用上限量はありません。


自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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