卵の栄養成分は?肉・魚・大豆製品と比べてみた




こんにちは!今日の更新は卵の栄養成分について。
前回の記事で、卵の食中毒について調べながら書いていたので、
続けて卵関連のネタを書いていきたいと思います。




卵の栄養成分



卵は時に、完全栄養食品などと言われる事があります。
確かに栄養価の高い食品ですが、実際のところはどうでしょう。


卵の栄養成分 肉や魚との比較画像
※このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。

こちらの表は、文部科学省の出している食品成分データベースより、
鶏卵と肉や魚、大豆製品など主要なたんぱく食品を比較した表です。

全て可食部100gあたりの数値であり、卵なら二個分ほど、豆腐なら約1/3丁相当になります。

上記を参考に比較してみると、

・エネルギー・タンパク質・脂質
肉類や、油の多い鯖のような魚に比べると、脂質が低くエネルギーも低くなっています。
脂肪酸組成はn-6系脂肪酸の割合が高めです。(n-3系は、EPAやDHA等の脂肪酸)
たんぱく質はどの食品もアミノスコア100の良質たんぱく質ですが、
たんぱく質の量自体は肉類に比べると低めです。

これらは比較してみても、だからどうしたって感じですね。
多いから良い、低いから悪いというものでもないので、あまり比較する意味が無いかもしれません。

・各種ミネラル
卵は肉類に比べカルシウムが高めで、鉄や亜鉛等のミネラルも含まれています。
特別多いと言うほどでもないですが、バランス良く含まれていると言えるでしょう。

・各種ビタミン
卵に特徴的なのは、ビタミンA(レチノール当量)が多いことです。
他のビタミン類は、ビタミンB2や葉酸、パントテン酸が多く、
ビタミンB1やビタミンCは低めです。

・コレステロール量
卵はコレステロールが高いと言われますが、比較してみると確かに高い数字です。
コレステロールについては、体内の合成量が多く、またHDL(善玉)とLDL(悪玉)と種類も分かれますから、
これだけを見てどうこうは言い辛いですね。
脂質異常症のガイドラインでは、一応卵(卵黄)は控えるべき食品に分類されています。




卵の栄養について、一般的な評価は?



google検索で、「卵 栄養」と検索を入れてみると、以下のような内容の検索が挙がってきます。


・レシチンが含まれるため、卵は血中コレステロールや中性脂肪を低下させる
・レシチンにはコリンが含まれており、脳の老化防止効果が期待

国立健康栄養研究所で研究結果をまとめた所見が表記されていますが、
上記についての有効性は、現時点では恐らく効果がないとされています。
もちろん今後の研究で覆る可能性はありますが、レシチンのサプリメント等の効果としてならともかく、
卵に含まれている程度の量で効果が発揮されるのは難しいかと思います。


・必須アミノ酸をバランス良く含むため、疲労回復や美容に良い
・全ての必須アミノ酸を必要量満たしていて、アミノ酸スコアが100


卵と肉と魚と大豆 主要たんぱく質必須アミノ酸の比較
※主要たんぱく質必須アミノ酸比較
アミノ酸スコアについてはこちらの記事をどうぞ

卵のアミノ酸スコアは確かに100であり、たんぱく質が不足すれば肌荒れや疲労感を感じる事があるので、
間違いではないかもしれません。
しかし、ほとんどの肉や魚、大豆もアミノ酸スコアが100であり、
その理論でいくと肉、魚、大豆も疲れや美容に良いという話になります。

間違いではないですが、卵が特別疲労や美容に良いというわけでは無いでしょう。



・リゾチームの殺菌効果で免疫を高める

卵にはリゾチームという抗菌物質が含まれており、
この効果で生鮮食品の中でも比較的長い期間鮮度を保つことができます。

卵白のリゾチームは抽出して医薬品としても利用されており、
気管支炎の薬等に使われています。

また、リゾチーム自体は人間も持っており、唾液や鼻水のような粘液に含まれています。
ただ、卵に含まれるリゾチームの量は一定でなく、食品分だけで免疫に関与するほどの量なのか不明で、
効果があるのかどうかは定かではありません。



・シスチン、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸を含み、肝臓を守る効果がある

卵と肉と魚と大豆 シスチン、グリシン、グルタミン酸の比較
※シスチン、グルタミン酸、グリシン比較

この理論でいくと、魚や肉、大豆にも肝臓を守る効果がありそうです…。



ネット上の栄養情報は突っ込みどころが多くて、細かく書くと反対するような内容になってしまいますね。
ちょっと言い過ぎな情報も多いですね。





卵は完全栄養食品?



ビタミンCや食物繊維はほとんど含まれておりませんし、n-3系脂肪酸も豊富なわけではなく、
ビタミンB1やナイアシンも多くありません。
カルシウムも多く含まれていますが、推奨量を満たすには一日10個食べても足りません。

肉に比べればミネラルやビタミンのバランスが良く、栄養価の高い食品ではありますが、
完全という表現は言い過ぎな表現かなと思います。


さて、今回の記事で結局何が言いたかったかというと、
卵は完全栄養食品だから、卵さえ食べてれば栄養補給はバッチリ」
というような考え方は誤りで、
やっぱり色んな食品を取り入れたほうが、栄養素はバランス良く補給できる
という事を言いたいのでした。

単一食品で見ると、どんな食品でも不足する栄養素は出てくるわけで、
栄養士に質問すると「バランス良く」という言葉がよく出てくるのはこういうわけなのです。


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